組織の成長を左右する「心理的安全性」とは?生き生きと働ける職場作りのために知っておきたい3つのポイント!
総務部です。
緊急事態宣言が継続され、新型コロナの状況からは、依然として目を離せない状態です。外出自粛やテレワークなど、人との交わりが少なくなる不安な状態が続いています。この様な状況の下、組織やチームをどの様に強化すれば良いか悩んでおられる方も多いと思います。それを考えるうえでヒントとなるのが「心理的安全性」という言葉です。これを高めた職場には様々なメリットがあると言われています。 今回は、この心理的安全性についてお話したいと思います。
1.心理的安全性とは
そもそも、心理的安全性とは、どの様なことを言うのでしょうか。
(1)不安なく自分の意見が伝わる状態
心理的安全性とは、簡単に言うと、誰に何かを言ったり、指摘をしても、拒絶されることがなく、罰せられる心配もない状態のことをいいます。従業員同士が仲のいい状態と思われることもありますが、それとは少し異なります。
以前のブログ(「テレワーク生産性向上のヒント~知っておきたい3つのポイント」、「働き方改革と労働生産性~生産性向上のヒントは身近なところにあった!」)では、生産性向上やコミュニケーションについてお話しました。
最近、職場の生産性向上を考える上で、心理的安全性が注目されています。斬新な発言や慣習を否定するような意見があっても、組織内で拒絶されず、評価が下がらない状態を作ることが重要であるというものです。言い換えると、各自が発言しやすい「良い雰囲気」「暗黙の了解」を作ることで生産性を高めようとするものです。
(2)注目される背景にはGoogleの研究成果も
心理的安全性が注目される背景には、米Google社が2012年から行ってきた「プロジェクト・アリストテレス」という生産性向上計画が関係しています。Googleは、自社の数百チームを分析し、どのようなチームがより生産性が高い働き方をしているのか調査をしました。
その結果、チームメンバーの能力や働き方によって生産性が左右されるのではなく、他者への心遣いや、気づきも安心して発言できるという心理的要素が、生産性に影響していることがわかりました。
2.心理的安全性と仕事の期待レベル
もう少し、詳しく見てみましょう。ここでは、心理的安全性と仕事の期待レベルの関係について、次のマトリクス図をもとに説明したいと思います。
(1)キビシイ職場 (心理的安全性:低い、仕事の期待レベル:高い)
心理的安全性は低いが、仕事の期待レベルは高い状態です。チームや組織からの協力はないが、高いノルマ等が課せられたイメージです。「余計なことはせず、結果のみ出せ」といった感覚です。この状態では、罰を避けるために各自が行動することになります。
(2)暗い職場 (心理的安全性:低い、仕事の期待レベル:低い)
心理的安全性も、仕事の期待レベルも共に低い状態です。チームのために意識して行動すると、罰を受けるかもしれないというリスクがあります。しかも仕事の期待レベルが低いため、リスクを冒してまで行動することをしません。お互いに関わりを避け、事なかれ主義が主流となります。
(3)ぬるい職場 (心理的安全性:高い、仕事の期待レベル:低い)
心理的安全性は高いが、仕事の期待レベルが低い状態です。各自はお互いに協力し、楽しい職場ですが、品質が良くない、納期が緩い等の仕事の期待レベルが低いため、目標未達でも「まあいいか」といった感覚をもった職場です。仕事自体の充実感(やりがい)は低くなります。
(4)成長する職場 (心理的安全性:高い、仕事の期待レベル:高い)
最後に、心理的安全性も、仕事の期待レベルも高い状態です。私たちが目指すべき職場です。高い仕事のレベルを保ち、メンバが互いに成果を出す為に行動します。その過程で「健全な衝突」を歓迎し、多くの新しいアイデア等をもとに、業績を向上させる職場です。
3.心理的安全性が職場にもたらすメリット
次に、心理的安全性によって、職場全体にどの様なメリットがあるのか、見てみましょう。
(1)情報共有の促進とスキルアップ
自分の考えを伝える際、発言が即座に否定されるという不安がありません。その為、個人の意見やアイデアが多く集まります。職場全体のコミュニケーションが密になり、従業員間の情報共有も活発になります。お互いを認め合い、尊重し合うという価値観の共有が職場内に根付くため、従業員同士が切磋琢磨します。自発的な学習も増え、個人のスキルアップにもつながります。
(2)イノベーション(革新)
心理的安全性が高い職場は、組織を良くしようという主体性が生まれ、組織の目標や課題に対して、従業員が自由に議論できる環境が整います。建設的な議論が行えることで、革新的なアイデアや新しい切り口等が生まれやすくなります。
(3)仕事のやりがい向上と離職率低下
仕事がしやすく、心理的に安全な職場で働く従業員は離職率が低い傾向があります。チームメンバとの関係も良好となり、自分の能力を活かしながら業務に取り組めるため、今の会社で長く働きたいと思うようになります。その結果、離職率が低下します。
4.心理的安全性が不足した場合の影響
反対に、心理的安全性が不足すると、職場にどのようなことが起こるのでしょうか。
(1)無知、無能だと思われる不安
これを質問すれば「無知だと馬鹿にされないか」と不安になり、上司や同僚に相談できなくなる。さらに、相談することが不安になると、チーム内のコミュニケーションがおのずと減少する。業務で失敗した際、「こんなこともできないのか」と言われないか不安になり、ミスを報告をせず、自分の失敗を認めない状態となります。
(2)邪魔をしているのではという不安
会議の際、自分の発言で議論が長引いたり、ポイントがずれたりした際、「いつも議論の邪魔をする」と思われないか不安になる。この状態が続くと、自ら積極的に発言をしなくなり、新しいアイデアや発想も生まれにくくなります。
(3)ネガティブだと思われる不安
組織の方針とは別の提案をしようとすると「あの人は否定ばかりで、チームの和を乱す」と思われないか不安になる。周りの人に否定的に思われる可能性があると、発言を躊躇したり、組織の重要な課題が放置されたりします。
5.まとめ
いかがでしたか、今回は、最近注目されている心理的安全性についてお話しました。そう言われてみると、自分たちの職場にも思い当たる節があるなと感じた方もおられるのではないでしょうか。
(1)今回のポイント
・ 心理的安全性とは、不安なく自分の意見が伝わる状態のこと
・ 心理的安全性が高い=ぬるい職場ではない
・ 学習と「健全な衝突」を通じて成長する職場を作ることが必要である
(2)最後に
心理的安全性が高い職場は、各自が安心して自分の考えを自由に発言したり、行動に移すことができます。その結果、各チームで新しい発想が生まれたり、メンバの連帯感がアップしたりします。このように、組織運営の点から多くのメリットが期待できます。また、従業員個人については、仕事がはかどり、ストレスが少なくなる等、精神面でのメリットも挙げられます。
心理的安全性は、新規事業開発、労働生産性、離職率改善など、経営面での様々な課題と切り離せない関係にあります。最近では、心理的安全性を高めるための研修を積極的に導入している企業も見られます。
私たちは、今回お話した心理的安全性を意識しながら、従業員が生き生きと働ける環境を作っていきたいと思っています。これからも 皆様に愛される企業として前進します。今後ともユニヴライフを宜しくお願いします。
「ユニヴライフは安全で快適な”LIFE”を創造します」
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