気にし過ぎるのは敏感な気質だから? HSPの特徴を知り、ストレスと共存するためのヒント!
総務部です。
2020年も残り2か月余りになりました。依然として新型コロナの感染状況からは目を離せない状態です。今年は、外出自粛やテレワークなど、昨年までとは違った生活を送っている方も多いと思います。この不安な状況が続く中で「何か生きづらい」「人とは感じ方が違う」といった感覚を持つ人が少なからずいることが、最近話題となっています。これらの人々はHSPと呼ばれることがあります。 今回は、皆さんにも当てはまるかもしれないHSPについてお話ししたいと思います。
1.HSPとは繊細な人
そもそも、HSPとは、どの様な人のことを言うのでしょうか。
(1)5人に1人が当てはまる
「視覚や聴覚などの感覚がとても敏感で反応しやすい」「感受性が豊かではあるが、不安な気持ちになりやすい」、このような特徴は、環境や周囲の出来事に対して敏感に反応する人に見られ、「HSP(Highly Sensitive Person)」(とても繊細な人)と言われています。
この概念を提唱したアメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士の調査によると、人によって程度の違いはあるものの、5人に1人、全体の15~20%程度が該当すると言われています。日本ではまだHSPが広く知られていないため、周りの人に理解されず悩んでいる人も多いようです。
(2)HSPはひとつの気質
HSPは病気や障害ではなく、生まれながらに持った「気質」のことを言います。気質とは心理学や精神医学の用語で、人格の感情的側面を言い、意思的側面は性格といいます。これは、後天的に身につけるものではなく「生まれつきの特徴」であるとされています。HSPは、少しだけ普通の人よりも繊細で、物事を深く考え込む傾向がある人のことです。
社会生活の中において、繊細なHSPはストレスを感じることも多いのですが、あくまで、ひとつの気質としてとらえ、その対処法を知ることができます。またマイナス面ばかりでなく、芸術的な「才能」としてHSPと向き合うことで、これからの生き方、考え方に活かせるとも言われています。
2.HSPの特徴とタイプ
次に、HSPにはどの様な特徴があるのか、もう少し詳しく見てみましょう。
(1)主な特徴
HSPは、主に次の4つの特徴によって判断されます。
・ 深く考えをめぐらせる
・ 過剰な刺激を受けてしまう
・ 感情が動きやすく共感もしやすい
・ 些細なことにも敏感である
これら4つのうち、1つでも該当しないものがあればHSPではないとされています。ただ、HSPは病気とは言えないため明確な基準はなく、多くの人に当てはまりそうな特徴もあります。HSPはとても敏感な人ですが、敏感さの程度は人それぞれで、日常生活や仕事で支障を来すほど敏感な人もいれば、そうでもない人もいます。
(2)HSPには「好奇心旺盛なタイプ」の人も
HSPの中でも、さらにタイプを分けることができます。HSPのうち3割の人は、敏感さを持ちながらも、未知のものに対する好奇心にあふれ、「とても刺激を求める」というタイプの人がいます。
これらの人は、「HSS(High Sensation Seeking)」と呼ばれています。HSPの特徴とは反対の性質である積極性や、外向的な面を持つ人たちのことを言います。HSPは、このHSSの特徴を考慮すると、次の4タイプに分類することができます。HSPの中の3割のタイプが「HSS型HSP」ということになります。
「HSS型HSP」は、HSPの繊細な感性を持つと同時に、新しい刺激も求めたいが、動揺はしたくないといった真逆な性質が共存する特徴があります。非HSPの人に比べるとやや飽きっぽい傾向にあるようです。一見すると外向的に見えますが、本質的には違うため、さまざまな過敏症にもなりやすいと言われています。
3.HSPの人が生きづらい理由とその対処法
ところで、なぜ近ごろ、HSPが話題になっているのでしょうか。また、どのように対処すればよいのでしょうか。
(1)今の社会状況もその理由
主な理由としては、コロナ禍で社会に緊張と不安が広がっているため、それらを感じ取りやすくなっていることが挙げられます。例えば、今回の新型コロナウイルスの感染が広がる中で、不確かな情報やデマが広まったことや、スーパーでの買い占め騒動などです。
また、テレワーク等、在宅勤務が一般的になり、ともすれば、互いのコミュニケーションが不足しがちとなる状況もあります。例えばメールの文面のみから判断し、批判されているのではないか等、余計な想像力を働かせ、自分を責めたりするといった場合もあるでしょう。
(2)自分の個性として認める
繊細さゆえに、相手の気持ちを察し、細かい点に気を配ることができるのは素晴らしいことです。芸術的な感性や、ミスの少ない、品質の高い仕事ができる才能を持った人もいます。ただ、気を遣いすぎて自分自身が辛い思いをしては、生きづらくなります。HSPは生まれ持っての気質であるため、HSPであるということと、うまく付き合っていく必要があります。
対処法としては、自分自身で限界を知ること。その限界を超えそうになったなら、自分から「刺激の量を減らす」「不安となる状況を予測する」といった意識的な行動をとることで自分を守ることです。HSPがその能力を発揮できるのは
・ 人との競争が少ない
・ 人とのコミュニケーションでの不安が少ない
・ 音などの刺激が少ない
といった環境であると言われています。
人よりも繊細だからこそ、生きづらさを感じてしまうことが多いHSPですが、その特徴を自分自身が理解し個性として認めることで、その気質を才能として生かすことができるという面もあります。
4.まとめ
いかがでしたか、今回は、最近話題のHSPについてお話しました。そう言われてみると、自分にも思い当たる節があるなと感じた方もおられるのではないでしょうか。
(1)今回のポイント
・ HSPは、とても敏感な人のことを言うが、これは一つの気質である
・ HSPの中でも刺激を求めるHSSタイプの人もいる
・ HSPの特徴を知り、それを認めることで才能を生かすこともできる
(2)最後に
HSPは人口の約2割で、残り8割の人とは異なる感覚を持っています。HSPは、例えると、自分が少数派の左利きであることを知らず、努力して右利きに変えようとしてストレスを感じているようなものです。
敏感で生きづらさを感じているHSPの人には、表面的な特徴がありません。主な内容は既に述べた通りですが、本人の内面の問題であるため、他人からは分かりずらく、本人も認識するのが難しいのです。
HSPと向き合うにはその内容を正しく理解することが必要です。自分の意識していなかった面を知り、それを受け入れることで新たな気持ちになれるのではないでしょうか。
私たちは、今回お話したHSPも意識しながら、従業員が生き生きと働ける環境を作っていきたいと思っています。これからも 皆様に愛される企業として前進します。今後ともユニヴライフを宜しくお願いします。
「ユニヴライフは安全で快適な”LIFE”を創造します」
【管理部】受付時間 9:30~18:30(日・祝日休み)