自動車保険の保険料が安くなる! ASV割引とは?
保険事業部です。
テレビを見ていると、最近、先進技術を搭載した車のCMが多くなっていることがわかりますね。追突防止のため警告音を鳴らしたり、自動的にブレーキがかかるといったものです。このような機能を持つ車の普及に伴ない、大手損害保険会社を中心に、2018年1月から自動ブレーキ搭載車の保険料が割り引かれることになりました。そこで今回は、その内容についてお知らせしたいと思います。
1.ASV、AEBとは?
国土交通省は、平成3年から、ASVに関する技術の開発・実用化・普及を促進するプロジェクト(ASV推進計画)に取り組んでいます。これに伴い、自動車メーカーは自動ブレーキ機能や、その他の安全機能を強化しています。
(1)ASV(先進安全自動車)
そもそも、ASV(=Advanced Safety Vehicle)とはどのような車でしょうか。ひとことで言えば、安全性を高める先進的な装置を搭載した先進安全自動車のことを言います。たとえば、前方の障害物を検知してブレーキをかけたり、車線からはみ出さないようアシストする機能(レーンキープアシスト)や、先行車との車間距離を維持する機能(車間距離制御装置)などがあります。
(2)AEB(衝突被害軽減ブレーキ)
代表的な先進安全技術のひとつとして自動ブレーキ機能があります。これは、衝突被害軽減ブレーキ(AEB=Autonomous Emergency Braking)とも呼ばれ、車に取り付けられた光学式カメラや、ミリ波レーザー、赤外線レーザーなどが障害物を検知し、運転者にアラームなどで知らせるものです。それでも追突が避けられないと判断した場合には、自動的にブレーキをかけ、衝突を回避してくれます。つまり、監視、警告、ブレーキ制御が主な機能です。
2.ASV割引の適用条件は?
2018年から自動ブレーキ搭載車への保険料割引制度が導入されました。従来の「型式別料率クラス制度」の仕組みを一部改善し、1月始期の契約から9%の割引が適用されるというものです。具体的な適用条件は次の通りです。
(1)自動ブレーキが搭載されていること
第1に、自動ブレーキ機能が搭載されていることです。先進安全自動車に搭載されているものもある「急発進抑制システム」や「レーンキープアシスト」などの機能までは必要ありません。自動車保険のASV割引に必要な機能は自動ブレーキだけです。
(2)自家用乗用車であること
第2に、個人法人の利用を問わず、ASV割引は乗用自動車であることが必要です。具体的には、次の用途車種になります。
・ 自家用普通乗用車
・ 自家用小型乗用車
・ 自家用軽四輪乗用車
(3)適用対象の型式であること
第3に、適用対象の型式であることです。ご契約の車の型式が発売された年度(4月から翌年3月まで)に、3を加算した年(暦年)の12月末までに、保険が開始する契約に対して割引を適用します。
例: 2018年2月(=2017年度)に初めて発売された型式の場合
2017年+3=2020年となりますので、2020年の12月末までに保険契約の開始日がある場合、ASV割の引対象となります。ですので、この例では、保険の開始日が2021年1月1日以降の契約からは割引対象外となり、型式別料率クラスに反映されることになります。
なお、自分の車が適用対象かどうかは、損害保険料算出機構の「型式別料率クラス検索」で検索できますので、これを参考にして下さい。
(注1)2017年12月以前の保険開始日の場合、ASV割引は適用されません。ASV割引を適用する場合は、契約を期中に解約し、新しく2018年1月以降に契約する必要があります。ただし、解約に伴い、契約者に不利益(解約損)が生じる場合があります。
(注2)ファミリーバイク特約など、ASV割引が適用されない項目もあるため、年間保険料から9%が割引されるわけではありません。
(注3)自家用軽四輪自動車については型式別料率クラス制度が適用されないため、自動ブレーキ機能が搭載されていれば、一律で割引対象となり、適用制限期間はありません。但し、2020年1月予定の「型式別料率クラス制度」が導入された場合は、自家用乗用車と同様に割引期間が制限されます。
詳しくは、保険会社または取扱代理店へお問い合わせください。
3.なぜASV割引は3年間なのか?
なぜ、ASV割引は3年間なのでしょうか。自動ブレーキ車が普及するにつれ、事故が起きる可能性が低くなると思われます。ただ、現時点では自動ブレーキによるリスク軽減効果が、「型式別料率クラス」(※)に反映できていません。事故率データが収集され、それが反映されるまでに3年ほど要するため、それまでは一律9%の割引とし、それ以降は実際の事故率に応じて保険料を設定するということになったわけです。
※型式別料率クラス制度とは
自動車保険の保険料を決めるのに、事故の発生頻度や発生状況に応じた保険料負担の公平化を図るため、様々な種類の車の「型式」に応じて保険料率を細かく設定しています。これにより、事故が多い型式の車は保険料負担が多く、事故が少ない型式の車は保険料負担が少なくなっています。この型式ごとに適用する保険料のランクは、毎年1月に過去3年間の事故などによる支払実績をもとに、損害保険料率算出機構がクラスの見直しを行っています。
4.まとめ
今回はASV割引の仕組みについてお話しました。ポイントは次の通りです。
(1)今回のポイント
・2018年1月から自動ブレーキ搭載車は保険料割引となった。
・自動ブレーキ搭載車は、発売から約3年間、9%割引となる。
・3年経過後は、料率クラスにもとづいた保険料が適用される。
(2)最後に
ASV割引、すでに先進安全自動車に乗っておられる方や、車の買い替えを考えている方には、うれしい情報ですね。今後、自動ブレーキの対象車種は拡大すると思われますが、割引は損害保険会社の収益低下につながるため、すぐに対象車種が増えるということにはならない可能性もあります。
なお、今回はお話できませんでしたが、ASV割引のほかにも自動車保険料を安くする方法はいくつかあります。それらのテクニックを知りたい方は、安心できる専門家に相談するのもいいかもしれませんね。
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